飛脚 2019 6 1

 「飛脚」とは、信書や金銭、為替、貨物などを輸送する職業、
または、その職に従事する人のことである。
(ウィキペディアから引用)
時代劇のドラマで、飛脚は、よく見かけます。
 さて、あれは、10年ぐらい前だったかもしれません。
私は、通販で商品を買って、
その中に入っていた払込票で代金を払うのを忘れてしまい、
後日、支払いを催促する手紙が来ました。
 その手紙には、
「なるべくコンビニエンスストアで払ってくれ」という趣旨が書いてあったのです。
 そこで、私は疑問に思ったのです。
「なぜ、銀行の窓口ではなく、コンビニエンスストアなのか」
 それを私なりに調べてみると、
通販会社にとって、入金確認ができる日数が、
コンビニエンスストアのほうが圧倒的に早いからでした。
 万が一、私が銀行の窓口に行って払ってしまうと、
通販会社が入金確認ができるのは、
少なくとも「4営業日」以上かかるのです。
 私が推定するのに、銀行の窓口で払うと、
現金と払込票は、銀行間で専門の運送会社を使って、
やりとりしているのではないかと思われます。
これは、江戸時代の飛脚と似ています。
 一方、コンビニエンスストアで払うと、
店員が払込票にあるバーコードをスキャンするので、
電子データが入金データとなって、
入金確認が早くできるということでしょう。
 もちろん、江戸時代の銀行で払うか、
ハイテク装備のコンビニエンスストアで払うかは、
客の好みでしょうが、
通販会社の経理部門にとっては、
早く入金確認をしたいところでしょう。
 ある雑誌で、中国企業の経営者が、こんなことを言っていました。
「日本企業は、伝統を守りたいという意識が強すぎる」
 確かに、江戸時代から続く伝統を守りたいところでしょうが、
今や、世界は、「Fintech」の時代です。

観光銀行 2019 5 5

銀行業務は必要だが、今の銀行は不要だ。
(ビル・ゲイツ)

書名 銀行員は生き残れるか
著者 浪川 攻  悟空出版

 農家によっては、農作物の市場価格が下がると、
市場へ出荷をやめて、
「観光農園」を始める農家があると聞いたことがあります。
 さて、この本には、興味深いことが書いてあります。
要約すると以下のとおりです。
 2023年、東京オリンピックが成功裏に終わって3年が経過した。
訪日外国人は、減るどころか、ますます増え続けた。
 数年前までは、日本製品を大量に買っていた外国人は、
やがて、日本での体験を重視するようになった。
 両親や祖父母から昔話のように聞いた、
「昔は、商品を買う時、現金で払っていた。
財布から紙幣というものを取り出して商品を買うと、
お釣りが、紙幣やコインでもらえた」という体験が、
日本で体験できるとSNSで拡散していた。
 日本にやってきた外国人は、
最初は、ATMという機械で、
「現金というもの」が出てくることに感動して、
それが飽きてくると、外国人は銀行の窓口に押し寄せるようになった。
 外国人にとっては、
銀行員が紙幣を扇型にして数える光景が、
まるで「手品」を見るようで目を丸くして眺めてしまう。
こうして銀行が「観光地化」するのには時間がかからなかった。
(引用、以上)
 今でも、こんな話を聞いたことがあります。
中国人が日本にやってきて、最初にやるべきことは財布を買うことである。
 極限までキャッシュレス社会が進んだ中国においては、
両親から「昔は、買い物をする時は、財布を使った」という昔話を聞き、
「私も、そういう体験がしたい」と思っても不思議ではありません。
 この際、世界のスピードについていけないならば、
それを逆手にとって、あえて伝統を守って、「観光地化」する方法があります。
「京都」も「小江戸の川越」も、昔が懐かしいから、観光客が押し寄せるのです。
いっそのこと銀行も観光地化すれば生き残れます。




















































































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